豆知識

製法による分類

●製法による分類

PASSITO
パッシート

収穫後、陰干しして糖度を高めたブドウを原料にして作る極甘口のワイン。果汁が濃厚で、アルコール濃度の高い、芳醇なワインになります。生産過程が貴腐菌に依存する貴腐ワインは、貴腐菌が作用しやすい環境が必要であるため限られた地域でしか造ることが出来ませんが、パッシートは生産地域が限定されないというメリットがあります。

RECIOTO
レチョート

パッシートと同様に、収穫したブドウを陰干しにして造るワインですが、特にヴェネト州で造られたものを指します。レチョートとはイタリア語で「耳たぶ」という意味であり、ぶどうを耳たぶくらいの硬さになるまで乾燥させるというとことからこう呼ばれています。レチョートは発酵段階のブドウを使用しますが、完全に発酵が完了しているブドウを使用する場合はアマローネという辛口のワインになります。

AMARONE
アマローネ

ヴェネト州ヴァルポリチェッラ地区で、特別な製法によるものに付けられる名称。ブドウを手摘みで収穫し、数カ月間半ば乾燥して果実味と糖分を凝縮し、それを完全な辛口になるまで発酵させた後、大樽で2年以上熟成させて造ります。非常に手間と暇を掛けるために生産量も少なく、稀少で高価なワインですが、古今から、芳醇な香りと濃厚な味わい、口に含んだ時の独特の苦み(アマローネ)で飲む人を魅惑してきました。中には、20年以上の長期熟成を期待できるものもあります。

VIN SANTO
ヴィンサント

収穫したブドウを藁の上で数カ月陰干しにし、干しブドウになって糖度が高まった所で果汁を搾り、発酵させ、密閉した小樽の中で最低3年以上熟成させた、高価なデザートワインで、豊潤な甘みが特徴。トスカーナ州で多く造られていますが、トレンティーノ地方でも造られています。「聖なるワイン」(ヴィンサント)という名前は、このワインが復活祭などキリスト教の儀式につかわれていたことに由来しています。

CHIARETTO
キアレット

キアレットは英語のクラレットから来た言葉で、主にロンバルディア州のガルダ湖周辺で造られる、色調の濃いルビー色のロゼワインのことです。赤ワインと同様の醸造工程の下で、発酵の途中で果皮を取り除いて造られます。

LIQUOROSO
リクオローゾ

モスカート種、マルヴァジア種、アレアティコ種など香り豊かなブドウの品種に、アルコール、もしくはブドウの蒸留液、凝縮したモストなどを加えて作る酒精強化ワインで、極めてアロマティックであることが特徴。アルコール度数は15度~22度と規定されています。

AROMATIZZATO

アロマティッザート

ワインにアルコール、砂糖やハーブ類を加えた、アロマ付きの酒精強化ワインで、アルコール度数は21度。ラベルに、 ヴィーノ・アロマティツザート(VINO-Aromatizzato)、ヴエルムト(Vermut)、アペソティーヴォ・ア・バーゼ・ディ・ヴィーノ(Aperitivo a Base di Vino)、ヴィーノ・キナート(Vino Chinato)のいずれかの表示をすることが義務付けられています。

SPUMANTE

スプマンテ

イタリアの発泡性ワインの総称。厳密には原産地統制名称法によって特定された地域で造られたイタリア産の発泡性ワインのこと。スプマンテは密閉耐圧の大型タンク内で発酵させるシャルマー製法(代表はピエモンテ州のDOCGアスティ・スプマンテ、ヴェネト州等のDOCプロセッコ)によるものが主体ですが、一部のスプマンテは瓶内二次発酵をさせるシャンパーニュ製法(代表はロンバルディア州のDOCGフランチャコルタ)により造られます。ガス圧は摂氏20度で3気圧以上。残存糖分によって次のように表示されます。 主なものは、

【BRUT】ブルット  残糖分0~15 g/l

【EXTRA SECCO】エキストラセッコ  残糖分12~20 g/l

【SECCO】セッコ  残糖分17~35 g/l

【ABBOCCATO】アッボカート 残糖分33~50 g/l

【DOLCE】ドルチェ 残糖分50%を超えるもの

(その他にも、BRUT NATURE, EXTRA BRUT、SEMI SECCO等詳細な区分があります。)

 

VINO FRIZZANTE

ヴィーノ フリッザンテ

ガス圧が摂氏20度で1~2.5気圧の弱発泡性のワインで、代表的なものとして、エミリア・ロマーニャ州で造られるランブルスコがあります。

NOVELLO

ノヴェッロ

イタリアのヌーヴォー・ワイン(新酒)で、フランスのボジョレー・ヌーボーより10日早く、毎年11月6日に販売解禁となります。最初に発売されたのはピエモンテ州ですが、現在はトスカーナ、ヴェネトをはじめ、イタリア北部のワイン産地でも生産されています。原料ぶどうは、ネッビオーロのほか、バルベーラ、ドルチェット、サンジョヴェーゼ、フレイザ、メルローなども使われます。主にボジョレー・ヌーボーと同じマセラシオン・カルボニック法(炭酸ガス浸漬法)で造られますが、その他に低温発酵法で造られるものもあります。DOCに規定されているものもありますが、そのほとんどはVdTです。

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